NYダウ、一時565ドル下落 原油価格は27ドル割れ
ニューヨーク(CNNMoney) 20日のニューヨーク株式市場は、原油が1バレル=27ドルを割り込んだことなどを受け、ダウ工業株平均が一時565ドル下落した。ただ、その後、値を戻し、終値は約249ドル安の1万5766・74ドルだった。
S&P総合500種も一時3.7%下落し、1.2%安で取引を終了。終値は2014年4月以来の低水準となった。ハイテク株中心のナスダックは一時値上がりしたものの、0.1%下落して取引を終えた。
年初から各国の市場で株価下落が続いており、ダウは今年に入ってから1658ドル値を下げたほか、S&P総合500種も9%下落している。
株式市場にとって最大の逆風の一つとなっているのが原油価格で、20日には27ドルを割り込み、03年9月以来の低水準を記録。終値は1バレル=26.55ドルと、今年に入ってから28%の下落となっている。
株式市場では今年、石油価格に大きな注目が集まっている。石油価格とS&P総合500種の値動きはほぼ連動。これは歴史的にみても異例だ。アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフエコノミスト、デービッド・ジョイ氏は「石油価格が底を打つまで恐らく市場は安定しない」との見方を示す。
最近の原油価格下落の背景には、対イラン制裁解除をめぐる懸念がある。制裁解除により、すでに供給過剰になっている石油市場にさらにイランの原油が放出される見込みで、タイミングとしては最悪だとする見方もある。