イランの制裁解除、貯蔵原油が市場へ 原油価格さらに下落か

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ニューヨーク(CNNMoney) 核開発をめぐって科されていた経済制裁が一部解除されたことを受け、イランは海上のタンカーに貯蔵していた原油の輸出へ動き始めるとみられている。原油市場は1バレル=30ドルを割り込む安値水準にあり、専門家からはイランの貯蔵原油が市場に流れ込むことで、1バレル=25ドルにまで原油価格が下落するとの見方も出ている。

イランは、タンカーの貯蔵原油を輸出することで、原油生産量の引き上げを待たずとも、すぐに資金を増やすことが出来るようになる。しかし、原油市場はすでに供給過剰の状態にあり、国際市場にとってイラン産原油の流入は良いタイミングとはいえなさそうだ。

原油市場についての情報提供を行っているオイル・プライス・インフォメーション・サービス(OPIS)でエネルギー分析のグローバルヘッドを務めるトム・クロザ氏は、洪水状態の石油市場にさらに雨が降るようだと表現。クロザ氏は、イラン産石油の流入により、原油価格がどこかの時点で1バレル=25ドルの水準にまで下落する可能性があるとの見方を示す。

クロザ氏はさらに、米金融業界がこのまま様子見を続ければ、歴史的なトレンドを見ると、価格は1バレル=10ドルにまで急落する可能性もあると指摘する。

イランが実際にどのくらい石油をタンカーに貯蔵しているかについてははっきりしていない。一部には3000万バレルとの試算もあるが、海運情報の分析などを行うウィンドワードによれば、その数字も少なすぎるという。ウィンドワードは、イランが4600万バレルの原油を貯蔵しているとみている。

イランは制裁で疲弊した経済を立て直すために資金を必要としているように見えるが、どのくらいの原油を即座に売ろうとするかは不透明だ。

キャピタル・エコノミクスはリポートで、イランが在庫を売り急いで、さらに原油価格が下落することは望まないのではないかとの見通しを示している。

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