木造高層ビルが世界で流行 背景は?
木造建築で気になるのは火事の懸念だ。だが、ラメージ氏はオークウッド・タワーの耐火性について、通常の鉄筋コンクリート建築に求められる基準を上回る見通しだと述べる。
同氏は「木材の燃え方は人々が想像しているのとは異なる」と指摘。ロンドンや米シカゴで過去に発生した大火災で原因となったのは非常に小さな木材であり、大型の木材は燃えにくいとの見方を示す。
また木の燃え方は予想がしやすく、建物を一定期間維持するための防護構造に必要な木材の大きさは技術者が計算できるという。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイではこの数年、高層ビルの火災が相次いでおり、火事の恐れがあるのは木造建築だけでないことを浮き彫りにした。
フラナガン氏によると、木造建築には心理的な好影響もある。「木造の建物に囲まれていると、人はリラックスする傾向にある」と指摘。人間は木に親しみを持っており、木造建築物を都市に導入すれば良い効果を期待できるとしている。
オーストリアの研究機関は2009年、床や天井などを木製にした教室2部屋と、床にリノリウム、天井に石膏(せっこう)ボードを張った教室2部屋を比較。その結果、木製の教室で学ぶ子どもたちの方がリラックスでき、心拍数も低くなることが判明したという。