東京五輪、経済効果は本当に期待できるのか
香港(CNNMoney) オリンピックの旗がリオデジャネイロから東京に引き継がれた。だが2020年の東京五輪で経済的成功を目指す日本には、困難な課題が待ち受ける。
東京五輪は準備段階から既に、相次ぐ不祥事や予算オーバーといった問題に見舞われてきた。デフレが続いて債務が膨らむ日本経済にとって、オリンピックが救いになるという見方に疑問を投げ掛ける専門家もいる。
「五輪が好景気につながるとは思えない」と予想するのは、主要スポーツイベント開催の経済効果に詳しい米スミス大学の経済学者アンドルー・ジマブリスト氏。「歴史的な実例を見ても好景気にはつながらず、(東京五輪の)準備状況から見ても芳しくない」と話す。
日銀は、五輪によって2018年まで年間で推定0.3ポイントの景気押し上げ効果を見込む。
しかし経済学者のロバート・バーデ、ビクター・マシスン両氏は4月に発表した論文で、過去の五輪を引き合いに、「実際の経済効果はほぼゼロか、大会前の予想のほんの一部にとどまる」と指摘した。
東京も過去の大会と同様に、予算オーバーの問題に見舞われている。野心的な新スタジアムの計画は、コストが2500億円に膨れ上がったため、昨年、当初のデザインを破棄せざるを得なくなった。