日本、EU離脱交渉で英国に注文 本社機能移転も警告
英国のEU離脱決定を受け国際金融機関は、欧州連合(EU)加盟の28カ国でも事業が展開出来る金融業務に関する「パスポート」の取得が今後不可能になることを懸念している。日本の要望書は、日系の金融機関はこのパスポートを入手するためEUの他地域に移転する可能性に言及した。
また、EU他地域から部品を確保し英国内で組み立て作業を実施している自動車業界に触れ、国境間での関税手続きが必要となれば欧州全体の事業展開で余分なコストや遅延が生じると説明。このコスト負担と官僚主義は事業推進に相当な悪影響を及ぼすと警告した。
英国のメイ首相はG20に臨む前、英BBC放送との会見で偉大な貿易国家としての英国の力の維持に努め、世界中に新たな貿易協定を築くことで離脱交渉を成功に導くとの考えを表明。ただ、「前途にはいくつかの厳しい時期があるかもしれない」との見方も示していた。