米、イランへの旅客機売却を承認 ボーイングとエアバス
ロンドン(CNNMoney) 米財務省は25日までに、航空機製造大手の米ボーイングと欧州エアバスがイラン向けに計画する航空機売却を承認すると発表した。引き渡す旅客機の用途はあくまで商業用に限定するとの条件を課している。
他国への売却や移管も禁じられた。計画ではボ社は100機以上、エアバスは旅客機17機の売却を予定。イランと欧米諸国などは核開発協議や経済制裁解除で合意済みで、今回の航空機商談の成立はイランにとって外国貿易での大きな成果となる。
2社は多くの航空機部品を米国内で製造しているためイランへの航空機売り込みでは米政府の許可が必要だった。米政府はイランが航空機を軍事目的に利用しない保証を求めていた。
ボ社によると、輸出するのは今年6月にイラン側と合意していた旅客機80機。これに、同社が手助けしてイラン航空がリース企業から調達するボ社製の航空機29機が加わる。
エアバスは今年1月、イラン側と計118機の売却で合意。総2階建ての巨大旅客機A380型機12機が含まれる。契約総額は約260億米ドルで、エアバスの受注契約としては過去最大規模。
エアバスの報道担当者はCNNMoneyに、残り101機については米政府が今後数週間内に許可することを期待していると述べた。
イランの民間航空界は過去の経済制裁のしわ寄せで機材の更新が遅れており、世界で最も危険な航空業界との指摘も受けていた。制裁解除でこの障害の除去も予想されている。
ただ、多くの制裁措置は依然残っており、米国は企業に対し米ドルを使ってのイランとの取引は禁止し続けている。ボ社やエアバスとの今回の大型取引でもこのドル規制が足かせともなっている。