ロシア経済に回復の兆し、2年の低迷後 IMF
ロンドン(CNNMoney) 国際通貨基金(IMF)は20日までに、景気停滞が過去約2年続いていたロシア経済が力強い復調を示し、今年の経済成長率は1.4%を記録する見通しであるとの新たな報告書を公表した。
ロシアのプーチン政権による財政赤字の切り詰め策、外貨準備高の増強、一部の国営企業の民営化や経営体質が脆弱(ぜいじゃく)な一部銀行の淘汰(とうた)などの施策が功を奏していると分析した。
原油輸出への依存が過大なロシア経済は2014年、原油価格の下落が進むと共に大きな打撃を受けた。ウクライナ・クリミア半島の併合化に伴う欧米の経済制裁発動も追い打ちとなり、自国通貨ルーブルが安値を強いられ、国民は窮乏生活に直面した。
ただ、原油価格は最近上昇しており、昨年初期の1バレル当たり26米ドルが約50ドルの水準に戻った。値下げを押さえ込む石油輸出国機構(OPEC)の協調減産が一因となっている。
この中でIMF報告書は欧米による経済制裁が投資を妨げる効果は今後も続くと予想。その上でロシア政府は原油や他の産品への依存度を減らす広範囲な一層の改革が必要と指摘した。
同国の今後数年間の経済成長率は1.5%前後で推移すると予測した。2010~12年の期間では3.5%以上の成長率を記録していた。