男女の同一賃金、アイスランドで証明義務付け 違反企業は罰金
ロンドン(CNNMoney) アイスランドで今年から、同じ仕事に従事する従業員の賃金に性別格差がないことの証明を義務付ける法律が施行された。男女の賃金が同一でないことを証明できない雇用主は罰金を科せられる。
男女間で賃金に差を付けることは、多くの国が法律で禁じているが、そうした法律が実効性に乏しい実態は各種の統計に示されている。世界経済フォーラムの調査によれば、世界の全ての国で、男性の方が女性よりも賃金が高いのが現状だ。
アイスランドは世界で初めてこうした賃金の性別格差に対して踏み込んだ対策を講じ、企業が政府に対して同一賃金を証明することを義務付けた。
この法律は1日から施行された。対象となるのはフルタイム従業員が25人以上の全企業や組織。従業員数が250人を超す企業に対しては、年内に同一賃金の証明書取得を義務付け、中堅中小企業に対しても今後数年以内に義務付ける。
証明できなかった場合の罰金は、現在の法律では1日当たり約500ドル(約5万6000円)に設定されている。
今後も企業が個々の従業員の経験や実績に応じて賃金に差をつけることは認められる。ただし、賃金の差が性別に起因するものではないことを証明する必要がある。
アイスランドは性別格差の解消に関して世界の筆頭に立ってきた。それでも福祉省の統計によれば、女性が2014年に受け取った給与所得の総額は、男性の78.5%にとどまる。政府は2022年までにこの性別格差をなくすことを目標としている。