トランプ大統領、関税を発動 一部の国は除外
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は8日、鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を発動する文書に署名した。鉄鋼に対して25%、アルミニウムに対して10%の関税を課す。
トランプ大統領が表明した関税要求は、株式市場を急落させ、国家経済会議(NEC)議長を辞任に追い込み、米国の主要同盟国の反発を招き、与党共和党の大物議員との亀裂を深める原因となってきた。それでも大統領を止めることはできなかった。
鉄鋼とアルミ業界の労働者に囲まれて、ホワイトハウスで関税発動の文書に署名したトランプ大統領は、「強い鉄鋼とアルミニウム業界は、我が国の安全保障にとって、絶対的に不可欠だ」と強調。外国からの輸入やダンピングのために工場が閉鎖に追い込まれ、「何百万人もの」雇用が失われたと主張した。
さらに、「これは単なる経済的な打撃ではない。安全保障上の打撃でもある。我々の船舶や航空機は、我が国の鉄鋼とアルミニウムで製造したいと思う」と述べ、「私は外国からの鉄鋼とアルミニウムに関税を課すことにより、米国の国家安全保障を守る」と宣言した。
ただし、カナダとメキシコは関税の対象から除外するほか、他の同盟国も同様の除外を求めることができるとした。
例外措置によって、他国からの反発はある程度和らぐ見通しだが、それでも米国と他国との間の貿易戦争に発展する可能性はある。トランプ大統領は、貿易戦争になっても米国は勝利できると主張するが、一部の側近は、関税が米国の経済発展の妨げになりかねないとの不安を強めている。
政権高官は、適用を除外する国が増えれば、トランプ大統領がそれ以外の国に対する関税を引き上げる可能性もあると指摘した。