米テスラのマスクCEO、SECと和解 会長辞任へ
ニューヨーク(CNNMoeny) 米電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が誤ったツイートで投資家を惑わせたとして米証券取引委員会(SEC)に提訴された問題で、マスク氏は29日、罰金2000万ドル(約22億円)を支払ってSECとの和解に応じ、会長職を退くことに同意した。
法廷文書によると、マスク氏はテスラのCEOにとどまる一方、45日以内に会長を辞任し、今後3年間は再任を禁止される。和解の正式な成立には、裁判所の承認が必要となる。
マスク氏はSEC側の主張を否定も肯定もしないまま、和解案を受け入れたという。
テスラもマスク氏のツイートを取り締まれなかった責任を問われていたが、同日2000万ドルの支払いに同意し、SECと和解した。同社は新たに2人の独立した取締役を任命し、マスク氏の発言を監視する取締役委員会を設立することにも同意した。
SECは、マスク氏がテスラ株の非公開化を予告したツイートで投資家を欺いたとして、27日に訴えを起こしていた。マスク氏に対してはこれに先立ち、少額の罰金を支払って会長職から2年間離れる和解案が提示されたが、同氏はこれを拒否していたとされる。
米法律事務所ペッパー・ハミルトンの幹部弁護士でSEC出身のジェイ・デュボウ氏は、SECがマスク氏のCEO留任を認めたのは異例の動きだと指摘。CEOを辞任させればテスラ株に悪影響が及び、投資家の不利益になるとの判断ではないかと述べた。
マスク氏のツイートについては米司法省による刑事捜査も進んでいる。しかしデュボウ氏は、司法省がSECと同氏の和解成立を受けて、立件を見送るのではないかとの見方を示した。