サウジ投資家会議開幕、孫正義氏の姿なく
サウジアラビア・リヤド(CNN Business) サウジアラビアの首都リヤドで23日、投資家会議「未来投資イニシアチブ(FII)」が始まった。
1年前の同会議では、ソフトバンクの孫正義最高経営責任者(CEO)が、スターゲストとしてムハンマド皇太子の隣に座っていた。
しかし今年の会議初日には、ハイテク業界の中でサウジアラビアにとって最も大切なこのパートナーの姿はなかった。ムハンマド皇太子は一時的に姿を見せたものの、最前列に用意された孫氏の席は空席のままだった。
孫氏とマルセロ・クラウレ最高執行責任者(COO)は当初、今回の会議で講演に立つ予定だった。しかし、サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の殺害を巡って国際的な非難が高まり、有力者が相次いで出席を取りやめる中で、両氏の講演予定もなくなっていた。ただ、孫氏は同会議の諮問委員として紹介されている。
カショギ氏の事件が急展開する中で、ソフトバンクは今回の会議への出席について沈黙を守り続けていた。23日にもコメントを求めたが返答はなかった。
JPモルガン・チェースやウーバー、シーメンスといった大手企業経営者の相次ぐ欠席は、同会議にとって大きな打撃となっている。この会議は、石油依存脱却を目指してムハンマド皇太子が推進する経済改革の一環だった。
孫氏は自らをそうした計画の中心的存在と位置付け、ムハンマド皇太子を説得して大型ハイテクファンドに450億ドルの出資を取り付けるとともに、サウジアラビアの大型プロジェクトをソフトバンクが支援すると表明していた。