イスタンブール(CNN) サウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏(59)がトルコの最大都市イスタンブールのサウジ総領事館で死亡した事件で、同氏の「替え玉」とみられる人物の姿を防犯カメラがとらえていたことが23日までに分かった。
トルコ当局の高官がCNNに語ったところによると、この人物は当日トルコ入りしていたサウジ人15人のうちの1人とされる。
事件を捜査しているトルコ当局の独占映像を、CNNが入手した。カショギ氏が総領事館に入った時と同じ黒っぽいブレザーとグレーのシャツ、ズボンを着て、付けひげと眼鏡で変装した男が、総領事館の裏口から出て行く姿が映っている。
トルコ当局によると、この男の姿は数時間後、イスタンブール旧市街の観光名所、ブルーモスクでも確認された。
男はムスタファ・マダニという名前で57歳。カショギ氏と年齢や体格が近く、替え玉として送り込まれた可能性があるという。
同高官は「我々の見解は当初から変わっていない。これは計画的な殺人だ」と述べた。
男は裏口を出る4時間前、正面玄関から総領事館に入っていた。この時はひげがなく、青と白のチェックのシャツに紺色のズボンという服装だった。ただどちらの映像でも靴は同じ、黒っぽいスニーカーをはいている。
トルコ当局者らはこれまで、捜査状況を少しずつ報道陣に流してきた。しかし真相への鍵を握るとみられる館内での音声記録は公開せず、その存在さえ公式に認めていない。