「王としての将来危うい」、米国務長官がサウジ皇太子に警告 記者殺害疑惑
ワシントン(CNN) サウジアラビアの記者がトルコ国内のサウジ総領事館に入ったまま消息を絶っている問題をめぐり、ポンペオ米国務長官がサウジのムハンマド皇太子と会談した際、この件への対応次第では国王として将来が危うくなると警告していたことが18日までにわかった。情報筋が明らかにした。
ポンペオ氏は16日にムハンマド皇太子と会談。両者は報道陣の前では笑顔を見せていたが、情報筋によれば、これをもって友好的な会談だったと受け止めるべきではない。
ポンペオ氏はムハンマド皇太子に対し、事態を率直に認めなければならないと促し、「あらゆる事実がいずれ明るみに出る」とはっきり伝えたという。
米紙ワシントン・ポストに寄稿していたジャマル・カショギ記者をめぐっては、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で2日に殺害された疑惑が浮上。共和、民主両党内では、殺害疑惑へのトランプ政権の対応を批判する声が強まっている。
ポンペオ氏のサウジ訪問についても、写真では親密ぶりが目立っていたことから批判が出ていた。
情報筋によれば、ポンペオ氏はムハンマド皇太子に対し、迅速に調査を完了する必要があるとも明確に伝え、関与者に厳しく対処する必要があると強調した。
そのうえで、サウジ側がこれを怠れば、米国として対応に乗り出さざるを得なくなると率直に説明したという。
トランプ政権はシリア復興に向けた資金拠出や過激派との戦い、中東和平計画への資金支援など、各種の主要な外交課題でサウジに頼っている。
11月4日からはイラン産原油の購入国に対する新たな制裁を導入する予定で、国際石油市場の安定を保つためにもサウジの協力が必要な状況だ。