不明サウジ記者、Apple Watchで殺害時録音? 専門家は否定
(CNN) サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で殺害されたと伝えられた問題を巡り、カショギ氏が身に着けていた米アップルのスマートウォッチ「Apple Watch」を使って、拷問や殺害の様子を録音していたという報道が浮上した。
トルコの新聞サバハは13日、カショギ氏が今月2日にApple Watchの録音機能を有効にした状態で領事館に入ったと報道。「尋問、拷問、殺害の音声が記録され、iPhoneとiCloudの両方に送信されていた」と伝えた。カショギ氏のiPhoneは、領事館の前で待っていた婚約者が持っていたという。
これに先立つ12日、捜査状況に詳しい関係者はCNNの取材に対し、カショギ氏がサウジ領事館内で殺害されたことを音声と視覚で裏付ける証拠をトルコ当局が握っていると話していた。ただ、どのような方法で証拠を入手したのかは分かっていない。
カショギ氏の友人がCNNに語ったところによると、同氏がApple Watchをはめて領事館に入ったことは、婚約者も確認している。
今年5月に撮影された写真でも、カショギ氏はLTE接続機能を内蔵した第3世代のApple Watchを腕にはめていた。
しかしアップルのウェブサイトによると、トルコではApple Watchで携帯電話回線に接続する機能は利用できない。ユーザーが契約している通信事業者のサービスエリア外で、ローミングを利用することもできないという。
ただし、Bluetoothや過去に使ったことのあるWi-Fi経由でiPhoneに接続すれば、たとえ携帯電話回線に接続できなくても、Apple Watchの全機能を使用できる。Apple Watch経由で音声を録音できるアプリも存在している。