石炭発電ゼロの1週間、137年の歴史で初めて達成 英国
(CNN) 英国で送電網を運営するナショナル・グリッドはこのほど、同国で石炭を使った火力発電所の稼働が始まった1882年以来初めて、石炭発電ゼロの1週間を達成したと発表した。
英国は2025年までに、発電による二酸化炭素の排出をゼロにすることを目指している。
これに先立ち英環境庁は、気候変動による沿岸部の洪水の危険増大に警鐘を鳴らしていた。
ナショナル・グリッドによると、石炭火力発電所は5月1日午後1時半から、8日の同時刻まで運転を停止した。
今後はこの状態が「新たな日常」になると同社は述べ、「再生可能エネルギーがますます増えれば、今回のような石炭なしの稼働が普通になる。2025年までには英国の電力網を排出量ゼロで運営できるようになる」と予想する。
英再生可能エネルギー推進団体幹部のエマ・ピンチベック氏によると、石炭なしの1週間は、風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーの使用増大を目指す長期戦略のおかげで達成できた。
規制や採算性が果たす役割も大きい。欧州連合の規制では、古い発電所に対して高額な装備を年内に導入することを義務付けており、火力発電の採算性は悪化している。
さらに、英国の気候変動法では2032年までに発電による二酸化炭素の排出をほぼゼロとすることを義務付け、再生可能エネルギーのような排出量の少ない技術への投資を促している。
ナショナル・グリッドのデータによると、石炭なしの1週間は、再生可能エネルギーが全電力のおよそ23%を占め、天然ガスが46%、原子力が21%だった。