ボーイング737、主翼部品に欠陥の可能性 点検と交換を指示
ニューヨーク(CNN Business) 米ボーイングは2日、2度の墜落事故を起こした新型機「737MAX」を含め、同社の737型機の一部で翼の部品に欠陥の可能性があることを明らかにした。
ボーイングは連邦航空局(FAA)と連携して737型機を運航する航空会社に連絡を取り、スラットトラックと呼ばれる翼の部品を点検するよう促している。対象となるのは737MAXと、737-600~900を含む737NGシリーズ。
リーディングエッジスラットは翼の前面から張り出した空力制御用の部品。ボーイングとFAAでは、一部が製造基準を満たしていないことが分かったとして、もしこの部品に欠陥が見つかった場合は、運航を再開する前に交換するよう指示した。
欠陥がある部品は不具合を起こしたりひびが入ったりする可能性がある。FAAによると、この部品で不具合が起きたとしても、墜落には至らないものの、飛行中の機体がダメージを受ける恐れがある。
FAAは航空各社に対し、スラットトラック部品の点検と修理を10日以内に行うよう求める予定。
今回の問題は5月31日、ボーイングと部品メーカーとの話し合いの中で発覚した。一部の部品に熱処理が行われていないことにボーイング側が気付き、安全上の問題を引き起こす可能性があると判断したという。
ボーイングによると、欠陥は特定のサプライヤー(供給業者)が製造したスラットトラック148個で発見された。20機の737MAXと、21機の737NGに欠陥部品が搭載されている可能性があるとしている。一方、FAAでは、それ以外のMAX179機とNG133機についても、部品の欠陥がないかどうか点検するよう促している。