旅客機内に煙が充満、「息ができない」と乗客騒然 英BA便
(CNN) 英ロンドンを出発してスペインに向かっていたブリティッシュエアウェイズ(BA)の旅客機内で、到着直前になって機内に煙が充満し、乗客が緊急避難するハプニングがあった。乗客は、まるでホラー映画のようで恐ろしかったと話している。
ハプニングは5日、ロンドンのヒースロー空港を発ってスペインのバレンシアに着陸しようとしていたBA422便の機内で発生。乗客からは「呼吸ができない」と悲鳴が上がった。
BAは、同機で「技術的問題」が発生し、乗客が避難したことを確認した。
乗客のルーシー・ブラウンさんはCNNの取材に対し、金属のような化学臭のする濃い煙が機内に充満したと証言、「私たちは自分の衣類で口を覆った。なぜ酸素マスクが下りてこなかったのか分からない」と振り返った。
BAの広報によると、同機に搭乗していた乗客175人は全員が避難して無事だった。うち3人は念のため病院に運ばれたが、入院はしなかった。
酸素マスクについては「気圧が低下した場合に使われるもので、低い高度で機内に煙が充満した場合に使うことは想定していない」と説明している。
BAの操縦士組合によれば、同機の操縦士は酸素マスクとゴーグルを着用して同機を着陸させた。乗客用の酸素マスクが下りなかったのは、「操縦士や乗務員の酸素マスクと違って、煙が充満した場合に使う仕様にはなっていない」という理由だった。
乗客のブラウンさんは、「怖かったのは何が起きているのかを伝える機内アナウンスがなく、非常口が開くまでに15分かかったことだった」と話している。