中国経済、減速止まらず 工業生産で17年ぶりの低水準
香港(CNN Business) 中国経済の減速に歯止めがかからない。この状況では米国との通商関係の改善や一段の景気刺激に向けて取り組まざるを得なくなる可能性がある。
中国国家統計局が16日に発表した統計によると、同国の重要な経済指標である8月の工業生産は前年同月比で4.4%の増加にとどまった。7月の同4.8%増を下回っており、17年ぶりの低水準となった。
他の指標も同様に振るわない。8月の小売売上高は前年同月比7.5%増と、7月から0.1ポイント下落した。
みずほ銀行の外国為替戦略担当幹部は8月の指標について、米中の貿易戦争を背景に「経済に対する下振れリスクが増大」しつつある現状を反映していると分析する。そのうえで、中国が最近になって通商協議への態度を軟化させるなどしたことについて、「理に適っている」との見方を示した。
中国政府は先週、米国産の大豆や豚肉を関税対象から除外すると発表した。新たな通商協議の開催を控え、ここへ来て米中両国は対立の収束に向けた措置を複数打ち出している。
一方で中国人民銀行(中央銀行)も、今月に入り市中銀行の預金準備率の引き下げを発表するなど景気のテコ入れに余念がない。経済調査会社のオックスフォード・エコノミクスは、今年と来年の中国の経済成長率をそれぞれ6.1%、5.7%と予測している。