リオ・ティント、先住民の洞窟遺跡爆破し謝罪 豪西部の鉄鉱石開発で
シドニー(CNN Business) 鉱業大手のリオ・ティントがこのほど、オーストラリアの先住民が神聖視する洞窟遺跡を資源開発のために爆破していたことが分かった。洞窟の起源は4万6000年前にさかのぼるとされ、同社は後に謝罪した。
ジューカン・ゴージと呼ばれる洞窟遺跡の位置する西オーストラリア州のピルバラ地方は、豊富な資源を有していることで知られる。リオ・ティントは鉄鉱採掘の規模拡張のため、現地でダイナマイトを使った爆破を行った。
ジューカン・ゴージは2つの洞窟からなる遺跡で、数万年にわたって継続的に人間が居住していた痕跡が見られる。CNN系列局の7ニュースによると、これまで砥石(といし)や骨を加工した道具、4千年前のものとみられる編んだ体毛など、7000点近い遺物が発見されている。
リオ・ティントは世界最大手の鉱業会社の1つで、オーストラリアで大規模な事業を展開してきた。売り上げの半分以上を鉄鉱採掘が占める。
爆破は先月24日に実施された。地域を管理するアボリジニ団体PKKPは、過去7年にわたり事業拡張に異を唱え、遺跡を守ろうとしていた。
リオ・ティントの鉄鉱石部門トップを務めるクリス・ソールズベリー氏は、「精神的苦痛をもたらしたことを申し訳なく思う」と謝罪。PKKPには敬意を払っているとしたうえで、「引き続きPKKPと協力し、今回起きたことを教訓に相互の関係を強化する。現在緊急的課題として、ジューカン・ゴージ地区のあらゆる場所での計画を見直している」と説明した。
リオ・ティントは声明で、PKKPが管理する土地での事業について、2011年以降「包括的かつ相互的な合意」が結ばれていると主張しているが、PKKPは遺跡の重要性について13年以降何度もリオ・ティント側に通告していたと訴える。
PKKPの広報担当者によれば、今年の3月にもそうした通告を行っていたが、リオ・ティント側の意図を把握したのは先月15日のことだったという。