「最後の」フクロオオカミ、85年前の貴重な映像公開 豪

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現存する最後のものとされるフクロオオカミの映像が公開された/Courtesy National Film and Sound Archive of Australia

現存する最後のものとされるフクロオオカミの映像が公開された/Courtesy National Film and Sound Archive of Australia

(CNN) オーストラリアの国立映像・音声アーカイブ(NFSA)は19日、80年以上前に絶滅したとされる肉食有袋類フクロオオカミ(タスマニアンタイガー)の最後の1匹とみられる個体を撮影した貴重な動画を公開した。

1935年に撮影された21秒間の動画には「ベンジャミン」と名付けられた1匹のフクロオオカミがおりの中で歩き回る様子が映っている。報道向けの発表によると、場所はタスマニア州ホバートにあるボーマリス動物園だという。

動画はタスマニア島の紀行映画のために撮影されたもの。ベンジャミンはこの後、36年9月7日に死んだ。これによりフクロオオカミは絶滅したと考えられている。ベンジャミンの動画は人に捕獲され、生きて動いている様子をとらえたフクロオオカミの最後の映像記録とみられる。

フクロオオカミの体毛は黄色がかった茶色で縞模様がある。丈夫なあごと子どもを入れるための袋を持つ/Courtesy National Film and Sound Archive of Australia
フクロオオカミの体毛は黄色がかった茶色で縞模様がある。丈夫なあごと子どもを入れるための袋を持つ/Courtesy National Film and Sound Archive of Australia

NFSAは動画にデジタル処理を施し、4Kの解像度で公開した。フクロオオカミについてのナレーションも入っており、現在は極めて珍しい種であること、文明化の進展によって自然の中の生息地を追われたことなどが説明されている。

フクロオオカミはオオカミとキツネと大型ネコ類の中間のような見た目の有袋類で、オーストラリア博物館によるとカンガルーその他の有袋類、ネズミなどの動物、小型の鳥類を捕食していた。

外からおりをたたく人に反応する仕草も見せる/Courtesy National Film and Sound Archive of Australia
外からおりをたたく人に反応する仕草も見せる/Courtesy National Film and Sound Archive of Australia

かつてはオーストラリア本土全域に住んでいたが、イヌ科の哺乳類ディンゴとの生存競争や人間による狩猟が原因でおよそ2000年前に絶滅。以後の生息地はタスマニア島に限定されていた。

島内の個体も住み着いた人間の狩猟の対象になるなどして数が減り、絶滅した。近年タスマニア州ではフクロオオカミを目撃したとする情報が複数寄せられているが、これまでのところ個体の生存を証明する有力な証拠はない。

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