カナダ・カルガリー動物園、パンダを中国に返還へ 笹の調達が困難に
(CNN) カナダのカルガリー動物園で飼育されているパンダ2頭が、予定より早く中国へ返還される見通しとなった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、パンダが食べる笹の調達が困難になったためだという。
動物園の発表によると、パンダの「アルシュン」と「ダーマオ」のえさになる笹は、これまで中国から空輸されていた。パンダは新鮮な笹を1日に平均40キロ食べる。
ところが新型ウイルスの影響で直行便の運航が止まり、供給が滞るようになった。園はほかのルートを探したが、そちらもいつ途絶えるか分からない。そうなればえさが全くなくなってしまう。
2頭は2014年に中国からトロント動物園に貸し出され、18年に同園へ移動した。返還は23年の予定だったが、感染拡大の第2波に備えて前倒しすることになった。
園長は声明で「現在の危機的な状況のなか、アルシュンとダーマオにとって最良で最も安全な居場所は、笹が豊富にあってすぐに入手できる所だと思う」と説明。動物たちの無事と健康を第一に考えるという理念の下、苦渋の決断を下したと述べた。
園長によると、2頭の返還手続きは2~3週間前に開始し、今週中には当局の承認が下りる見通し。手続きが速く進むことを願っているという。
中国が友好国にパンダを貸し出す政策は「パンダ外交」とも呼ばれている。