米自動車販売に復活の兆し、コロナ前の水準には戻らず
ニューヨーク(CNN Business) 米国の自動車販売に復活の兆しが見えているが、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に戻るには至っていない。
主要な自動車メーカーはこのほど、2020年7~9月期の売り上げを発表した。前年同期比では減少したが、4~6月期の落ち込みほどはひどくなかった。
専門家からは想定していたよりも良くなっているとの声も出ている。
自動車販売は失業者が大幅に増えたことで打撃を受けた。さらに数百万人が自宅で仕事をしており、通勤のために自動車を必要としている人の数は大きく減った。リセッション(景気後退)のために多くの人が車を買う余裕がなくなった。
今年前半にあった自動車工場の一時的な閉鎖で人気車種の一部も在庫が限定的となった。
ゼネラル・モーターズ(GM)のチーフエコノミスト、エレイン・バックバーグ氏によれば、新型コロナウイルスの感染拡大は車の販売にとって逆風ではあるが、ある部分では追い風ともなっている。一部の消費者は、地元での移動や長距離移動に公共交通機関や配車サービスを使うことと比べれば自家用車のほうが安全な空間だと考えているという。
新型コロナウイルによって余暇や娯楽、外食などへの支出が抑えられ、一部の消費者はそれを新車購入に回しているという。また、週末に都市部から逃れたり郊外へ出ようとしたりする都市部の住民が車両の保有に興味を持っているという。新築物件の増加もピックアップトラックへの需要にとって追い風となっている。