ボーイング737MAXの運航再開承認、停止から1年8カ月 米FAA
ニューヨーク(CNN Business) 米連邦航空局(FAA)は18日、米ボーイングの旅客機「737MAX」の運航再開を承認すると発表した。これで同機は1年8カ月ぶりの運航に向けた道が開ける。
737MAXは、346人の死者を出した2度の墜落事故を受け、2019年3月から運航が停止されていた。原因については、機体の急上昇と失速を防ぐはずの安全機能が適切に機能しなかったために機首が下がり、墜落していたことが分かった。
737MAXは、世界32カ国の航空会社59社が387機を保有しており、FAAの承認は世界的な運航再開に向けた第一歩にすぎない。今回のFAAの承認の対象となるのは、米アメリカン航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空が運航する米国内便のみ。国際便の運航については相手国の航空当局の承認を必要とする。
米国で運航を再開するに当たっては、事前に必要な改修を行ってFAAが個々の機体を点検する必要があり、操縦士にも追加的な訓練を義務付ける。
この手順は航空会社によって数週間から数カ月を要する見通し。現時点ではアメリカン航空のみが、フロリダ州マイアミとニューヨークを結ぶ12月下旬から1月上旬の便の運航スケジュールに737MAXを組み入れている。
9月に実施した737MAXの試験飛行で自ら操縦桿(かん)を握ったFAAのスティーブ・ディクソン長官は、「私たちが過去20カ月で行ってきた活動と、同機を操縦した私の個人的な経験に基づき、今では100%安心して自分の家族と共に飛行できる」と胸を張った。
FAAは運航再開に向けた手順を通じて世界各国の航空当局と連携しており、ほとんどの国が運航停止の解除を指示する見通し。欧州航空安全機関(EASA)も18日、12月後半か2021年初めに行動を起こす見通しだと発表した。