イケア、名物の商品カタログを廃刊 70年の歴史に終止符
ニューヨーク(CNN Business) スウェーデンの家具大手イケアは、70年にわたり毎年刊行してきた商品カタログを廃刊すると発表した。
廃刊の理由として、オンラインでの商品閲覧と購入が増加していることを挙げた。同社幹部のコンラート・グリュース氏は声明で「メディア消費と顧客の行動が変化した」と指摘。「名残惜しくはあるが合理的な判断として、カタログの輝かしい歴史に終止符を打つことを決めた」と述べた。
スウェーデンで最初にイケアのカタログが刊行されたのは1951年。2000年にはオンライン版と印刷版の両方の刊行が始まった。ピーク時の2016年、イケアの印刷版カタログは2億部を発行。32の言語に翻訳され、50カ国・地域の市場で流通した。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、イケアのオンラインでの売り上げは急激に伸びている。今年8月までの1年間の売り上げは45%増。ウェブサイトの訪問数は40億回を記録した。
カタログは10月に刊行した2021年版が最後となる。来年は小規模の冊子を刊行する予定。中身は家具・インテリアについての創造性を刺激する情報が満載で、カタログの歴史を記念する記述も盛り込むとしている。