世界経済回復でCO2排出量急増か、IEAが警告

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国際エネルギー機関(IEA)は、世界経済の回復にともない、世界の二酸化炭素(CO2)排出量が急増する恐れがあるとの警告を発している/Florian Gaertner/Photothek/Getty Images

国際エネルギー機関(IEA)は、世界経済の回復にともない、世界の二酸化炭素(CO2)排出量が急増する恐れがあるとの警告を発している/Florian Gaertner/Photothek/Getty Images

ロンドン(CNN Business) 国際エネルギー機関(IEA)はこのほど発表した報告書で、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた世界経済の回復にともない、石炭の消費量などが増えて世界の二酸化炭素(CO2)排出量が急増する恐れがあるとの警告を発した。

IEAによると、世界のエネルギー部門で排出されるCO2量の増加幅は今年、史上2番目の15億トンを記録する見通し。

特に中国などアジアで、石炭の消費が再生可能エネルギーの伸びを上回ると予想される。

IEAのビロル事務局長は気候変動上の見地から、現状でサステイナブル(持続可能)な経済回復はとても望めないと指摘。各国政府に対し、排出量削減に向けた迅速な行動を促した。

IEAによると、世界のエネルギー需要は今年4.6%増加し、パンデミック前の19年を超える見通し。エネルギー部門の排出量も昨年減少した分の8割を埋め合わせ、19年のレベルに迫るとみられる。

特に石炭消費の増加が懸念され、14年のピーク時に近付く恐れがある。石炭需要の増加幅のうち、50%は中国が占める見通し。欧米でも増加傾向がみられるものの、パンデミック前を大きく下回るレベルにとどまるという。

報告書は一方で、中国を中心に再生可能エネルギーの供給量が増加し、今年の供給量全体の半分を超えるとの見通しを示した。

ただし、パンデミックの動向次第で予想値は大きく変動する可能性もある。

気候変動問題をめぐっては、バイデン米大統領の主導で22~23日、オンライン形式の首脳会談が開催される。

ジョンソン英首相はこれに合わせ、英国の温室効果ガス排出量を2035年までに1990年比で78%削減するという新たな目標を掲げる方針とされる。

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