夏にガソリンがスタンドから消える恐れ、タンクローリー運転手が不足 米
ニューヨーク(CNN Business) 今夏の米国では、1年以上にわたって巣ごもり生活を強いられた大勢の人々が、新型コロナウイルスの感染収束後の休暇を満喫しようとマイカーで出かけるかもしれない。くれぐれもガス欠にならないよう祈るばかりだ。
原油やガソリンの不足が起きるわけではない。そのガソリンを各地のスタンドへ運ぶドライバーが足りないのだ。
米国でタンクローリーによる運搬を手掛ける企業の団体NTTCによれば、国内の車両全体の20~25%は夏に向けて稼働の見通しが立っていない。タンクローリーを運転する資格を持つドライバーの不足が原因で、2019年の同時期に同じ理由で稼働していなかった車両の割合は10%にとどまっていた。
NTTCのライアン・ストルブロー執行副会長は、以前からドライバー不足には対応してきたとしつつ、感染拡大で問題が顕著になったと指摘。不足の度合いが「間違いなく急激に跳ね上がった」と述べた。
確かに1年前、ドライバーらはタンクローリーの運転の仕事に見切りをつけていた。当時は感染拡大に関連した封鎖措置が敷かれ始めたころで、ガソリンの需要が著しく低下していたからだ。
タンクローリーを運転するには他のトラックとは別の特定の資格が必要で、雇用されてからも数週間のトレーニングを受けなくてはならない。また他の長距離トラックのドライバーより実入りはいいものの、体力的に非常にきつく、簡単な仕事ではない。
輸送会社グロエンダイク・トランスポートの幹部であり、NTTCで労働力に関する委員会の運営にも携わるホリー・マコーミック氏は、ドライバーを養成するスクールの多くが感染拡大初期に閉鎖されてしまったのも問題だと指摘。それらのスクールが担うはずだった新人ドライバーの供給が途絶えてしまったと話す。