アポロ11号の宇宙飛行士コリンズさん死去、「史上最も孤独な男」
(CNN) 人類初の月面着陸に成功した米航空宇宙局(NASA)の「アポロ11号」に搭乗した元宇宙飛行士、マイケル・コリンズさんが死去した。90歳だった。家族が本人のフェイスブックを通じて28日に発表した。家族によると、コリンズさんはがんで闘病を続けていた。
NASAのスティーブ・ユルチク長官代行は追悼談話を発表し、「同僚が初めて月面を歩く間、アポロ11号の司令船のパイロットを務め(一部では『史上最も孤独な男』とも呼ばれた)、我が国の素晴らしい業績達成に貢献した」とコリンズさんをしのんだ。
アポロ11号の月面着陸船パイロットだった「バズ」ことエドウィン・オルドリン元宇宙飛行士も、「君はどこにいようと、今までもこれからも、新たな高みへと、そして未来へと、私たちを運ぶ炎を持ち続ける」と追悼した。
アポロ11号打ち上げ50周年でケネディー宇宙センターを訪れ、カバナ・センター長と握手を交わすコリンズさん=2019年7月16日/Frank Michaux/NASA/AP
コリンズさんはイタリア出身。米空軍のパイロットを経てNASAの宇宙飛行士になり、まず「ジェミニ10号」に、続いてアポロ11号に搭乗。米国人として3番目に船外活動を経験した。宇宙ではアポロ11号の飛行を含めて266時間過ごした。
2019年にはアポロ11号の50年目を記念してCNNのインタビューに応じ、子どもの頃に空を見上げて「最も素晴らしいものはあそこにある」と感じ、もっと知りたいという思いから飛行士を志したと振り返っていた。
コリンズさんとオルドリンさん、ニール・アームストロングさんの3人を乗せたアポロ11号は1969年7月16日に打ち上げられた。オルドリンさんとアームストロングさんが月面に着陸する間、コリンズさんは司令船で月を周回し、月面から戻った2人の着陸船とドッキングした。