米銀バンカメ、最低賃金を時給2700円余に 25年までに
ニューヨーク(CNN Business) 米大手銀行「バンク・オブ・アメリカ」は22日までに、米国人社員の最低賃金を2025年までに時給25ドル(約2725円)に引き上げる経営方針を明らかにした。
同銀のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)がCNNの取材に述べた。人件費の負担増は年間で数億ドルになるが、投資であることを強調。
「社員にキャリアを豊富にする考え方を促し、最終的には社への忠誠心をはぐぐむ」とし、「そうすることで株主の利益にもつながる」と主張した。
同銀は過去にも最低賃金を上積みしており、17年には時給15ドルにした。その2年後には2年間かけ20ドルの水準にすると発表し、予定を前倒して実現させてもいた。同銀の社員らは計20万人以上とされる。
今回の最低賃金の新たな引き上げ計画に伴い、契約する関連部品の供給企業にも自社の従業員の最低賃金を少なくとも時給15ドルにすることを要請。モイニハンCEOによると、これら業者の99%が現在、応じているとした。
他の主要な金融機関もバンク・オブ・アメリカほどではないが、最低賃金の改善に動いている。
JPモルガン・チェースは18年に15ドルから18ドルにする計画を発表。シティグループは19年、15ドルに上げていた。
米国では新型コロナウイルス禍の到来やバイデン政権の発足で、企業の最低賃金を巡る議論が全米規模で高まっている。バイデン氏は先月、連邦政府と契約する業者の最低賃金を時給10.95ドルから来年初期に15ドルへ増やす大統領令に署名してもいた。