米大手企業、相次ぎ従業員にワクチン義務付け　グーグルやフェイスブックも

ニューヨーク（ＣＮＮ Ｂｕｓｉｎｅｓｓ） 従業員に対して何カ月も前から新型コロナウイルスのワクチン接種を促してきた米企業が強行姿勢に転じている。各業界の大手がウイルスの拡散を封じ込めるため、相次いでワクチンの義務化を打ち出した。

ジョー・バイデン大統領は２９日にも、連邦政府機関や業務委託先の全職員や従業員に対するワクチン接種または定期的な検査の義務付けを発表する見通し。シリコンバレーの大手は２８日、グーグルとフェイスブックが他社に先駆けてワクチン接種の義務付けを発表した。

従業員のワクチン義務付けを発表した企業は以下の通り。

グーグル

グーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者（ＣＥＯ）は２８日、従業員宛ての電子メールで、職場に戻る従業員にワクチン接種を義務付けると発表した。この方針はまず米国で今後数週間かけて実行に移し、米国外でもワクチンの普及状況に応じて導入する。グーグルが方針をどう徹底させるのかは明らかにしていない。

フェイスブック

フェイスブックは米国内のオフィスに出勤する全従業員に対して職場に戻る前のワクチン接種を義務付け、医療上の理由などでワクチンを接種できない従業員のための手順も定める。米国外については状況に応じてアプローチを検討するとしている。

ネットフリックス

ネットフリックスは米国で制作する全作品について、キャストやキャストと接触する関係者のワクチン接種を義務付ける。ハリウッドの労働組合と大手制作会社は先週、職場復帰に関する手順を発表し、作品ごとにキャストやスタッフのワクチン接種を義務付ける選択肢を盛り込んだ。

ブラックロック

資産運用の世界最大手ブラックロックは現在、ワクチン接種を受けた従業員のみ職場復帰を認めている。この方針は、従業員の声や従業員調査をもとに調整して決めたと広報は説明する。９月からは、一部のワクチンを接種した従業員がオフィスで、それ以外の従業員は在宅で勤務する「ハイブリッドモデル」を採用する予定。

モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレーのニューヨークオフィスは、ワクチン未接種の従業員やクライアントが本社に立ち入ることを禁止している。屋内の「大勢の従業員がいる」場所で働く従業員は全員が、７月１日までにワクチン接種状況の確認を求められていた。

サックス・フィフス・アベニュー

米紙ニューヨーク・タイムズによると、高級百貨店のサックス・フィフス・アベニューは、全従業員にワクチン接種を義務付けている。同社は職場で働く従業員が圧倒的に多いとマーク・メトリックＣＥＯは同紙に説明した。

ワシントン・ポスト

ワシントン・ポスト紙発行人のフレッド・ライアンＣＥＯは２７日、従業員と新規採用者全員にワクチン証明書の提示を義務付けると告知した。従業員の職場復帰を予定している９月１３日からは、ワクチン接種が「雇用条件」になるとしている。

アセンション・ヘルス

全米で病院を展開するアセンション・ヘルスは２７日、「患者や来院者、関係者、家族や地域社会の安全のため」、職員全員にワクチン接種を義務付けると発表した。直接的に患者の医療に携わる場合も、遠隔診療に携わる場合も関係なく、ワクチン接種を求める。

リフト

ローガン・グリーンＣＥＯが従業員に宛てた電子メールによると、リフトは８月２日の時点でオフィスに勤務する従業員全員にワクチン接種を義務付ける。ＣＮＮ Ｂｕｓｉｎｅｓｓはこのメールを入手した。米国内のオフィスに従業員の大部分が戻る日は、当初予定を半年先延ばしにして２０２２年２月２日に延期された。広報によると、この内容については数週間前に従業員に告知し、オフィスに戻る条件としてワクチン証明書の提出を義務付ける。

ツイッター

ツイッターは既に、オフィスに戻る従業員に対してワクチン証明書の提示を求めている。２８日には追加的な措置として、ニューヨークとサンフランシスコのオフィスを全面的に閉鎖し、オフィスの再開を見合わせると発表した。

同社広報はこの対策について「米疾病対策センター（ＣＤＣ）の改訂指針を検討し、現在の状況を考慮した」と説明。「引き続き地元の状況を注視しながら、従業員の健康と安全を優先した変更を行っていく」とした。