習近平氏、富の再配分に意欲 富裕層への圧力強化か
富の再配分に注力する習氏の意向は、自身が率いる政府のより広範な経済目標とも結び付く。中国では過去数カ月間、ハイテクや金融、教育といった業界に対し、前例のない規模の締め付けが行われている。財務リスクの低減と経済の保護、汚職の撲滅がその名目だ。
政府はこうした措置を通じて安全保障や国民の利益を守っているとも主張する。規制当局は民間部門が社会経済上の問題を引き起こしていると非難。そうした問題で社会が不安定化し、共産党の支配にも影響を及ぼしかねないとの見解を示す。
ただ直近の指標からは、中国経済の弱体化の兆候がうかがえる。16日に公表されたデータによると経済の回復ペースは鈍り、若年層の失業率も年間で最悪となる水準にまで上昇した。
エコノミストらはこうした失速について、いくつもの要因があると指摘。具体的には新型コロナウイルスのデルタ株の蔓延(まんえん)や自然災害、債務リスクの高まりに加え、上記の規制強化を受けた投資家心理の冷え込みも挙げた。