習主席、「威張り散らす」国々に警告 圧力強める米国を牽制か
香港(CNN Business) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は20日、米国が主導する反中国の動きに直面する中で国際的な協力の必要性を訴えた、「開かれた世界経済」が、新型コロナウイルスの感染拡大からの回復には不可欠だと警告した。
「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」でのビデオを通じた演説で述べた。その中で習氏は「壁を立てたり結びつきを絶つ試みは、経済の法則と市場原理に逆行する」「他者の利益を阻害する一方、自らも恩恵を得られなくなるだろう」と指摘。
「一握りの国が作ったルールを他国に押し付けてはならず、一国主義を追い求める特定の国々が全世界を先導するのを許してはならない」「大国はその地位にふさわしく振る舞うべきで、より強い責任感が求められている」との見解を示した。
演説ではいかなる国の名も挙げなかったが、念頭にあったのは米国に向けた遠回しの批判と思われる。同国はこの数カ月間、中国に対する圧力を強めている。
先月、米国とその同盟国は新疆ウイグル自治区で主にイスラム教徒の少数民族に対して行われている弾圧をめぐり中国政府を非難。共同で制裁を発動した。トランプ前政権が科した中国国内トップのハイテク企業に対する制裁も継続中で、現在のバイデン政権の下でも両国は依然として貿易面での軋轢(あつれき)を抱えている。
「他国に威張り散らし、その内政問題にいちいち干渉する振る舞いはいかなる支持も得られないだろう」(習氏)
フォーラムには数千人の大企業トップや有力政治家が出席する。米国からはアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)やテスラのイーロン・マスクCEO、 ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマンCEO、ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者のレイ・ダリオ氏らが参加する予定。