中国の習主席、朝鮮戦争参戦70年で演説 米国をけん制
北京(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は23日、朝鮮戦争参戦70年の記念式典で演説し、「脅しや封鎖、極端な圧力」は行き詰まりに陥るだけだと述べ、米国を明確にけん制した。
この日の式典は、中国軍が1950年10月に国境を越え北朝鮮入りしたのを記念して開催された。中国政府は朝鮮戦争を「抗米援朝(米国に対抗して北朝鮮を支援した)戦争」と形容している。
習氏の演説と時を同じくして、米国では、大統領選前最後となる討論会がテネシー州ナッシュビルで行われた。
習氏は演説で、米国は朝鮮戦争で中国に対する侵略行為に及んだと主張。勢力で劣る中国軍が米軍を撃退したと強調した。
習氏は中国人民解放軍の最高司令官でもある。中国政府としては平和を望んでいるものの、戦いを前に引き下がるつもりはないと警告し、「侵略者に対しては彼らの理解する言葉ではっきりものを言うべきだというのが中国人民の考えだ」としている。
北朝鮮は朝鮮戦争中、最初の韓国侵攻が跳ね返された後は戦果を挙げられなかったものの、中国では長年、この戦争を偉大な勝利とたたえる評価がなされてきた。中国の支援がなければ北朝鮮は敗北していた可能性が高い。
式典会場となった北京中心部の人民大会堂は、満員の出席者で埋まった。習氏の演説の前には、列席した朝鮮戦争退役軍人に対し、会場から立ち上がっての拍手が送られる場面もあった。さらに20万人近くに上るとされる中国軍兵士の戦死者に対する黙祷(もくとう)も行われた。
中国ではこのところ、参戦70年と中国の「対米勝利」を記念する政府式典や記事が目立つ。
中国軍の公式新聞「解放軍報」では21日、「中国人民の発言の重要性を米国人に知らしめた栄光ある勝利」をたたえる記事が1面に掲載された。