8月の米雇用統計、23.5万人増と1月以来の低水準 デルタ株が影響
ニューヨーク(CNN Business) 8月の米雇用統計は就業者数が23万5000人の増加と、今年1月以来の低水準にとどまった。新型コロナウイルスのデルタ株の蔓延(まんえん)が労働市場に脅威を与えたとみられる。
市場予想は今月1日の時点で75万人増から72万8000人増へ下方修正されていたが、それさえも大幅に下回る結果となった。
グラスドアのシニアエコノミスト、ダニエル・ザオ氏はCNN Businessの取材に答え、「デルタ株が消費需要を減退させ、経済の再開に脅威を与えている」「結局のところ、パンデミック(世界的大流行)に運命を握られているという厳しい現実を改めて思い知らされた格好だ」と述べた。
米国の雇用者数は、コロナ禍が加速する前の昨年2月時点よりも依然として530万人少ない。
デルタ株の全国的な感染拡大で旅行計画を見直す動きも出る中、回復傾向にあった旅行・宿泊業界の8月の雇用は横ばいとなった。レストラン・バー業界は4万2000人の雇用減。小売業の雇用もマイナスとなった。
失業率は前月から2ポイント改善して5.2%。人種別でみると白人、アジア系、ヒスパニック系は低下したが、黒人では8.2%から8.8%に増加した。また10代の失業率は9.6%から11.2%に跳ね上がった。