IMF、世界経済成長率の予測を下方修正 米国も1ポイント減
ロンドン(CNN Business) 国際通貨基金(IMF)は12日に発表した世界経済見通しで、今年の世界の成長率を7月時点の予測より0.1ポイント低い5.9%に下方修正した。
特に米国の成長率は、先進7カ国(G7)の中で最も大きく1.0ポイント引き下げ、6.0%とした。サプライチェーン(供給網)の混乱や、7~9月期の消費鈍化を要因に挙げている。
また、ドイツは原材料不足による製造業の生産減、日本は新型コロナウイルス感染拡大を受けた7~9月の緊急事態宣言による影響を理由に、それぞれ下方修正した。
中国の成長率も、公共投資の縮小を考慮して8.0%と、7月時点よりわずかに引き下げた。中国の不動産業界などで大規模な企業破たんが相次ぎ、金融市場に影響が広がる危険性も指摘した。
来年の世界の成長率は、7月の予測のまま据え置いた。全体としては小幅の下方修正にとどまったが、世界経済のリスクは拡大したとの見方を示した。
リスク要因としてパンデミックの出口やインフレ、需給バランスの崩れをめぐる不透明感に言及している。米政府の債務上限問題も重大なリスクとされた。
途上国では、労働市場が受けた打撃やワクチン供給の不均衡を背景に経済回復が大幅に遅れ、2024年になっても国民総生産(GDP)がパンデミック前を5.5ポイント下回ったレベルにとどまると予想している。