米国発中国行きのフライト、五輪前に全便運航停止も
北京(CNN Business) 米国発中国行きのすべての旅客便が来週以降、運航を取りやめる可能性があることが15日までに分かった。北京冬季五輪の開幕を来月に控え、中国政府が新型コロナウイルス感染拡大抑止策として自国への渡航規制をかけていることが背景にある。
今月19日から少なくとも2週間にわたり、米国発中国行きのフライトはすでにキャンセルされたか中国航空当局による規制のため運航停止となる公算が大きい。CNN Businessが政府発表やすでに公表された運航スケジュールを調べて明らかにした。
14日時点で、依然運航できるとみられるのは米ユナイテッド航空の1便ともう1便のみ。
来月4日に開幕予定の北京五輪の出場選手らは、ほとんどが特別便を利用する見通しだ。これらの便の乗客は五輪関連の特別資格を有する人々に限られる。こうした措置は大会前後を通じ外部との接触を避ける「バブル方式」の一環。
昨年6月以降、中国の民間航空当局はいわゆる「サーキットブレーカー」ルールを国際便に導入している。このルールの下、ある運航便に中国到着時点で陽性の乗客が5人以上いた場合は、当該のルートが自動的に2週間の運航停止となる。陽性者が10人以上いた場合は停止期間がより長くなる。
中国はこの「サーキットブレーカー」ルールについて、「重要な措置であり、国境を越えて疫病が蔓延(まんえん)するリスクを低減できる」と弁護している。
昨年12月24日から今月12日まで、中国行きを予定していた国際便9356便のうち3分の1以上がキャンセルされた。中国国営の航空関連IT企業が開発したアプリのデータから明らかになった。
この期間中、米国発の便で到着時に陽性判定を示す乗客の数が増加。五輪や旧正月を前に、運航のキャンセルが相次ぐ事態を引き起こした。
ユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空の米航空会社3社は、中国最大の都市上海に向けて毎週10便を運航しているが、同市では国際便で到着した人々の感染件数が増加を続けている。13日には5件の市中感染が報告されたが、すべてのケースで最近米国から帰国した住民が関係していることが分かった。
ワシントンに拠点を置く主要な米航空会社の業界団体、エアラインズ・フォー・アメリカは13日に声明を発表。各社がこうした規制の影響について懸念し、運航に及ぼす打撃を検証していると述べた。そのうえで「米中両政府と連絡を取り、旅行者への影響を最小限にする道を探っている」と説明した。