トレーダーは会社で寝泊まり、全市封鎖でも止まらない金融都市・上海
中国国営ニュースサイトのchina.com.cnは今月に入り、上海市内のオフィスに何日も寝泊まりしている従業員のビデオダイアリーを掲載した。社名は公表していないものの、75人が約300平方メートルの空間で暮らしているという。
今月に入って微信に掲載された動画では、オフィスに並べられたエアマットレスで従業員が眠り、1人の男性がトイレの洗面台で顔を洗っていた。
問題はシャワーだったと従業員の1人は振り返る。最初は湯をわかして体を洗っていたが、その後シャワー設備が導入されたといい、「大学の寮に戻ったみたい」とコメントしている。
眠ろうとすると別の問題に突き当たった。動画の中の女性は、大理石の床は硬くて寝袋を敷いても不快だと不満を漏らし、「最初の数日はパニック状態だった。午前2~3時まで眠れなかった」と告白。いびきをかく同僚は「会議室に追いやることにした」といい、「彼らはその部屋で一緒に寝ている」と言い添えた。
全市的な移動制限が始まる前から従業員がロックダウンに入っていた理由については、この動画では明らかにしていない。
ただ、中国では各地で突然ロックダウンが始まることも多く、新型コロナの症例が1例確認されただけで、まだ従業員が中にいるオフィスビルが丸ごと封鎖されることもある。そうした従業員には寝具などの必需品が提供されることもある。
ロックダウンが続く中でも上海のビジネスは滞っていない。上海証券取引所はこのほど、企業が引き続き上場式典や投資家説明会、株主総会を開催できるよう、オンラインサービスを提供すると発表した。書類提出の要件についても一部を緩和する。