トレーダーは会社で寝泊まり、全市封鎖でも止まらない金融都市・上海
香港・北京(CNNビジネス) 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今週から大規模なロックダウン(都市封鎖)が始まった中国・上海。現地の銀行や証券会社は金融取引に支障が出る事態を防ぐため、トレーダーなどに対してオフィスに泊まり込むよう求めている。
事情に詳しい関係者がCNN Businessに語ったところによると、トレーダーやファンドマネジャーは泊まり込み1泊につき500~2000人民元(約9600~3万8500円)の手当を支給されている。デスクの下に簡易ベッドを置いたり、寝袋や食事、洗面用具を支給する会社もある。
金融機関1000社以上が集まり、証券取引所がある上海の金融街、浦東新区では、ほとんどの会社がそうしているという。上海証券取引所は通常通りの業務を続けている。
980億ドル相当の資産を管理しているという資産運用会社の中欧基金は、上海のパンデミック(世界的大流行)がエスカレートし始める中、確実に運用を継続させるため、投資ディレクターやファンドマネジャー数人が3月から寝泊まりを始めたことを明らかにした。
同社は28日、中国大手SNS微信(ウィーチャット)への投稿で、「現場責任者」に任命されたある幹部は「半月以上もオフィスに滞在している」と伝えた。
別の資産運用会社、叡遠基金でも一部の社員が16日からオフィスに寝泊まりしているといい、「週末も例外ではない。彼らは日用品を持ち込んで会社を自宅にしている」と微信に投稿。蓄え込んだ食料やデスク脇に置かれたキャンピング用ベッドの写真を掲載した。
パンデミックが続く中、中国では従業員がオフィスに住み込むのが日常になっている。