米、過去最大の石油備蓄放出を発表 石油会社にガソリン価格抑制の取り組み迫る
(CNN) バイデン米大統領は3月31日、過去最大となる石油備蓄の放出を発表した。また、連邦政府から借用しながら活用していない土地での生産を増やさない石油会社を罰する措置も明らかにした。
ガソリン価格を下げ、石油会社に供給を増やす責任を負わせるのが狙いだ。この思い切った措置は、中間選挙を数カ月後に控え、ガソリン価格が政治問題になりつつあることを意識してのものだ。
「ロシアのプーチン大統領の行動により、ガソリン価格が上昇している。十分な供給がない。そして肝心なのは、価格を下げたいのなら、今すぐ石油の供給を増やす必要があるということだ」とバイデン大統領は説明した。
また「家庭のガソリン代は独裁者が宣戦布告をするかどうかで決まるべきではない」とも述べた。
放出する石油は1億8000万バレルに相当する。バイデン大統領は米国と世界の石油生産が回復するまでの「戦時中の橋渡し」になるだろうと説明した。この決定は欧州を含む海外の同盟国と協調してなされたが、政府関係者は他の国も備蓄を放出するかどうかについて言及を避けた。
バイデン大統領は「1日100万バレルをはるかに超える量を供給することができる。プーチン大統領が米国の家庭や家族、世界中の民主主義に対してエネルギー資源を武器化する能力を否定するために(各国は)団結している」と述べた。
原油価格が下がれば備蓄を補充するとも語り、今後の生産意欲をさらに高めることにつながる可能性があるとした。また、利益を上げるためにこの状況を利用しないよう石油会社に警告した。