「経験したことのない痛み」 食品試食のインフルエンサーに健康被害続出、胆嚢摘出も
(CNN) インスタグラムなどのSNSを通じて食事の宅配サービスを展開している米デイリー・ハーベストが、商品の自主回収をめぐって非難の的になっている。問題の食品を試食した後、原因不明の激しい腹痛などの症状を訴えて病院に運ばれるインフルエンサーが続出し、胆嚢(たんのう)摘出の手術を受けたという利用者も相次いでいる。
デイリー・ハーベストはこれまで、インフルエンサーに商品を紹介してもらう手法で業績を伸ばしてきた。しかし今回、同社の食品で具合が悪くなったという複数のインフルエンサーは、同社の対応に不手際があったため、利用者に注意を促す責任が自分たちに押し付けられたと訴えている。
「この会社はインフルエンサーのおかげで成り立っている」と語るコリー・シルバースタインさんは5月中旬、PRパッケージの一環として、「フランス産レンズ豆とネギのクランブル」という商品を受け取った。
シルバースタインさんはCNN Businessの取材に対し、「同社の宣伝は全てインフルエンサーが担っていた」「現時点で、この商品を食べたら病院行きになるかもしれないと一般の人に警告しているのもインフルエンサーだ」と話している。
問題の商品を試食した後の症状についてシルバースタインさんは、「あんな痛みは経験したことがなかった」と振り返る。
デイリー・ハーベストは自主回収に関する最新情報をウェブサイトに掲載し、「今回の事態を非常に深刻に受け止め、原因究明に全力を挙げています」と説明。「これまでに行った病原菌検査や毒物検査の結果は全て陰性でした。引き続き検査に力を入れ、最新情報をお伝えします」としている。
23日夕の更新情報によると、健康問題に関する報告は約470件寄せられており、原因については今も調査を継続中。自主回収の対象となった商品約2万8000点は、米国で4月28日~6月17日に配送されていた。
同社は今月17日になって初めて、購入者宛てに電子メールを送り、この食品を食べた後に「少数のお客様が腸の不快感を訴えている」と説明。まだ残っている場合は破棄するよう促した。同食品を食べないよう呼びかける告知を初めて掲載したのは19日だった。