米GDP、2四半期連続でマイナス リセッションへの不安に拍車
(CNN) 米商務省の経済分析局は28日、2022年4~6月期の国内総生産(GDP)について、年率換算で前期比0.9%のマイナスになったと発表した。
1~3月期に続くマイナス成長となった。非公式ながら一般的にリセッション(景気後退)の定義は、2四半期連続でのマイナス成長とされている。この結果は速報値であり、この後2度の改定が行われる予定。
マイナス成長の主な要因は、在庫水準の低下にある。各企業は過去数四半期、パンデミック(世界的大流行)で落ち込んだ備蓄を補充し、サプライチェーン(供給網)の混乱に対処しようとしてきたが、消費者が一部購入を控える中で過剰な在庫を抱えるに至った。このため4~6月期は在庫への投資が前四半期を下回った。
数十年ぶりのインフレや連鎖的な供給への打撃にもかかわらず、政府は基本的に冷静な姿勢を保っている。今回はある種の解説を公開するなど異例の措置に踏み切り、2四半期連続のマイナス成長がリセッションを意味するわけではないとの主張を展開した。
ホワイトハウスが先週ブログに投稿した内容によれば、GDPに加え、労働市場に関するデータ、企業および個人の消費、生産、収入の全てを盛り込んでリセッションかどうかの公式な判断が下されるという。
実際に労働市場は堅調だ。労働統計局が発表した今年上期の雇用増加は月平均で45万人を超えていた。ただ過去数週間でみると、失業保険の受給申請が増えてもいる。
同局が28日に発表した直近のデータが示すところによると、今月23日までの1週間で初めて失業保険の受給申請を行った人の数は25万6000人、前週は26万1000人だった。
ムーディーズ・アナリティクスのライアン・スイート氏は、現状を「リセッションではない」としながらも、「失業保険の受給申請が低い周期からより高まってきたのは間違いない」「経済が低速ギアに入ったことの一段の反映だと思う」と指摘した。