米CPI、4月は前年同月比4.9%増 21年4月以来の低水準に
ミネアポリス(CNN) 米労働省労働統計局が10日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が4.9%で、3月の5%からわずかに減速した。横ばいを見込んでいたエコノミスト予想を下回った。
総合CPIが減速するのは10カ月連続。近年の高インフレ傾向が始まった2021年4月以来の低水準になった。
変動が大きい食品・エネルギー価格を除いたコアCPIに変化はなく、前年同月比5.5%増だった。
前月比では総合CPI、コアCPIともに0.4%の上昇を記録し、エコノミスト予想と同率だった。一部のエコノミストの間では、燃料や中古車価格の高騰で物価上昇圧力がかかるとの予想も出ていた。
EYパルテノンのチーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「インフレは根強く、浮き沈みはあるものの、間違いなく沈静化に向かっている」との見方を示した。
4月のデータを見ると、主要カテゴリーで前月比の伸びが特に大きかったのは中古車と中古トラック。前月比で4.4%上昇したが、前年同月比では6.6%の下落となった。ガソリン価格も前月比は3%上昇だが、前年同月比では12.2%の下落。ガソリン価格は主要産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)プラスが予想外の減産を発表した後に上昇した。
食料品価格はわずかながら下落し、前月比0.2%減。これにより年間インフレ率は7.1%になった。家庭用食品の価格が下落するのは2カ月連続。
米国ではここ2年間、高インフレによる家計の圧迫が続いている。インフレ率は昨年夏に40年ぶりの高水準に達したのをピークに、その後は連邦準備制度理事会(FRB)の長引く利上げで徐々に鈍化。昨年3月以降、FRBはベンチマーク金利を10回引き上げ、需要抑制によるインフレ沈静化を図っている。