ミツバチの群れ、旅客機に押し寄せ離陸が3時間遅れ 米空港
(CNN) 米テキサス州ヒューストンのジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港で離陸に備えていたデルタ航空の旅客機の主翼先端部分に突如、ミツバチの群れが押し寄せて止まるなどして離れず、出発が約3時間遅れる一幕がこのほどあった。
デルタはこの事態を乗り切るため検討していた対策には詳しく触れなかったが、乗客がいなかった同機を地上の装備品を使って搭乗ゲートから後進させるとミツバチの一群は離れていったという。
離陸の遅れについては、ミツバチ保護への配慮と機体の表面部に汚れがないことの確認作業が原因とした。
デルタは出発の遅延について乗客に謝罪も表明。ミツバチを示す「Bee」と「信用する」などの意味がある「Believe」を組み合わせた造語「Bee-Lieve」を文頭にはさんで「信用して頂けるかどうかわかりませんが」としながら、「友好的なミツバチの群れが我が旅客機のウィングレットと仕事の話をしたがりました」との声明も発表。
「空港の飛行条件について最新情報を話し合いたかったのでしょう」とユーモアをにじませて結んだ。ウィングレットは両主翼の先端にある装置で、気流の抵抗の減少などを図っている。
SNS上にはこのミツバチの様子などをとらえた画像が流れ、話題を集めた。同機はエアバス製のA320型機で米ジョージア州のアトランタ行きだった。
大量のミツバチが航空機に集まる事態はまれだが、前例はある。インドのコルカタ空港では2019年、群れが飛来したエア・インディア航空機の出発が遅れ、放水銃を使って処理したことがある。米バージニア州では16年、最新鋭のF22型戦闘機に2万匹のミツバチが殺到して飛べなくなり、出動した養蜂業者に助けてもらったこともあった。
一方で、商業空港での養蜂家の存在は普通のことになりつつある。米国科学工学医学アカデミーは昨年の報告書で、米国や海外でミツバチの生息地の回復などを図るため「花粉の媒介役に優しい」事業を打ち出している多数の空港の詳細を説明。
同報告書によると、空港上に養蜂場を最初に導入したのは1999年のドイツのハンブルク空港だった。米国ではシカゴのオヘア空港が初めてだったという。