中国の半導体材料2品目の輸出、8月はゼロ

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酸化ガリウムの基板をみる研究者=2022年5月30日、中国浙江省杭州市/CFOTO/Future Publishing/Getty Images

酸化ガリウムの基板をみる研究者=2022年5月30日、中国浙江省杭州市/CFOTO/Future Publishing/Getty Images

香港(CNN) 半導体の製造に必須の希少金属であるガリウムとゲルマニウムの中国からの輸出が8月はゼロだったことが20日に発表された貿易統計で明らかになった。

中国政府は7月、「国家の安全保障」を理由にこれら2品目の輸出を8月から許可制にすると発表していた。

業界団体によると、世界で生産されるガリウムの約80%、ゲルマニウムの60%が中国で生産されているが、中国は先月この2品目を一切輸出しなかった。7月はガリウム製品を5.15トン、ゲルマニウム製品を8.1トン輸出していた。

中国商務部の報道官は21日の会見で、2品目の輸出について企業から申請があったことを明らかにした。一部は許可されたという。

この輸出規制は、経済成長が懸念されているにもかかわらず、中国が米国の輸出規制に報復する意志があることを示している。

世界第2位の経済大国である中国は現在、内需の弱含みと不動産危機に直面している。中国の輸出は先月、過去3年あまりで最大の落ち込みとなり、鈍い景気回復に新たな打撃となっている。

アナリストらは、輸出規制は中国経済の回復の足を引っ張り、またサプライチェーン(供給網)が他国に移ることにもなりかねない「もろ刃の剣」との見方を示している。

米調査会社ユーラシア・グループは7月のリポートで、中国は2品目の主要生産国だが他国でも生産されており、利用可能な代替品もあるなどと指摘した。

輸出規制措置の影響はすでに中国国内で現れている。在庫が積み上がり、ガリウムの価格は下がっている。上海金属取引所のデータによると、21日のガリウムのスポット価格は1トンあたり1900人民元(約3万8000円)で、7月上旬から20%近く下がっている。

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