エジプト選手団にナイキの偽ブランド用品、アディダスのジッパー付き
(CNN) ロンドン五輪に出場するエジプト選手団に、米スポーツ用品大手ナイキの偽ブランド製品が配られていたことが、選手や販売代理店の証言で明らかになった。
シンクロナイズドスイミングのヨムナ・ハラフ選手は短文投稿サイトのツイッターで、「例えば大きなナイキのロゴが入ったかばんに、アディダスのジッパーが付いている」と打ち明けた。
エジプトでナイキ製品の販売を手掛ける唯一の正規代理店によれば、当局者が非公認業者からナイキの商品を半額で提供できると持ちかけられ、その話に乗ったという。非公認業者が扱っているのは偽ブランド製品だと2度にわたって通告したにもかかわらず、返事はなかったとしている。その後フェンシングチームから正規代理店に対し、トレーニング用品やオリンピック村で着るウエアについて苦情が寄せられ、問題が発覚した。
エジプト五輪委員会のアリ会長は国営メディアの取材に対し、「ウエアはナイキの代理店から購入した。本物と偽物とはまったく区別がつかない」「エジプトで売られているナイキ製品はすべて中国製だ。みんな同じロゴが付いている。見分けようがない」と弁明。「例えば誰かが作った偽造コインをたまたま持っていたら、その責任を問われるのか」と問いかけ、ナイキが偽ブランド業者を突き止めて法的措置を起こすべきだと語った。
ナイキは26日、この問題についてエジプト五輪委員会と話し合い、問題の解決に努めていると発表した。
シンクロのハラフ選手は結局、2000エジプトポンド(約2万6000円)の自腹を切って新しいウエアを購入したといい、「余計な出費を強いられてイライラする」と不満をぶつけている。