優勝はソーラー・トイレ ビル・ゲイツ財団主催のコンテスト
(CNN) 世界の衛生状態改善に向け、大学から新たなトイレのアイデアを募ったコンテストで、太陽エネルギー利用のトイレを考案した米カリフォルニア工科大学が優勝した。
コンテストを主催したのは、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長と妻のメリンダさんが創設した慈善財団「ビル・アンド・メリンダ財団」。1年前の呼び掛けに、多数のアイデアが集まった。
カリフォルニア工科大学は、太陽エネルギーを利用して水素と電力を発生させるトイレの案で賞金10万ドル(約790万円)を獲得。英ラフバラ大学が、バイオ炭とミネラル、浄水を生成するアイデアで2位となり、賞金6万ドルを手にした。3位はカナダのトロント大学。排せつ物を消毒してミネラルや浄水を回収する提案に、賞金4万ドルが贈られた。
入賞作品は14~15日、米シアトルでの「トイレ改革フェア」で紹介。フェアには世界29カ国から、研究者や設計者、発明家らが集まった。
同財団はさらに、第2回コンテストの実施を発表。総額約340万ドルの賞金を出すと表明した。
世界保健機関(WHO)によると、近代的なトイレ設備を使用できない人は世界で約25億人に上る。不衛生な環境で広がる伝染病により、毎年150万人の子どもが亡くなっている。ゲイツ氏は「こうした技術革新は途上国の衛生状態を劇的に改善するだけでなく、先進国のトイレ事情にも変化をもたらすだろう」と語った。