エイズ母子感染の女児、事実上初の「治癒」 米国
母親が8~10カ月にわたって治療を受けるのをやめさせた後も、女児の血中にHIVは検出されなかったという。
「HIVに感染した乳児に一定期間の治療を行った後、治療を中止してもウイルスが復活しないことが確認されたのはこれが初めて」(マサチューセッツ大学のキャサリン・ルズリアガ医師)だという。
これまでの治療では、母子感染の疑いのある乳児には6週間にわたって予防薬を投与し、HIV感染が確認された時点で治療を開始するのが一般的だった。
しかし、ゲイ医師は今回の症例について、出生直後、まだHIVの陽性反応が確認されないうちから抗ウイルス薬を投与したタイミングが重要だったと解説。「さらに研究を進め、早期に効果的な治療を行うことによって今後も一貫して同じ結果が出ることを実証したい」と話している。
研究者によると、過去にエイズの治癒が報告された症例は1件のみ。ドイツ在住の米国人男性が2007年に白血病治療のため骨髄移植を受けた結果、白血病だけでなくエイズも治癒したと報告されている。
この男性は昨年、CNNの取材に対し、「あらゆる機関で血液検査や内視鏡検査を受けたが、HIVは見つからなかった」と話した。ただしこれは極めて例外的なケースとされる。
ミシシッピ州の女児は定期的な検査を受けているが、ゲイ医師によると、現時点でHIVは検出されていないという。