イルカは互いに「名前」で呼び合う? 音の調査で判明
(CNN) イルカはそれぞれが固有の「名前」を持ち、離ればなれになるとその名を呼んで相手を探す――。米英などの学術チームがそんな研究結果を発表した。
調査は米サラソタ・イルカ研究所とスコットランドのセントアンドルーズ大学、ウォルト・ディズニー・ワールドリゾートなどの研究チームが実施し、学術誌に先月発表した。
研究チームは、1984年から2009年にかけて米フロリダ州のサラソタ湾付近で録音された野生のバンドウイルカ約250頭の鳴き声を調べた。
イルカは口笛のような音を出すことが知られているが、調査の結果、それぞれの個体が個々を識別する特有の音を持っていて、親子や親しい仲間同士でこの音をまねしていることが分かった。研究者の1人、ランドール・ウェルズ氏によれば、この音は名前の役割を果たしているという。
イルカが親しい相手と離ればなれになった時に、仲間が使っていたこの音を再現していることも分かった。特定の相手と再会したい時に、その相手に固有の音を発していると解釈できるという。
一方、たまたますれ違っただけのイルカ同士では、音をまねる行動は確認されなかった。
親しいイルカたちはもしかしたら、こんな会話を交わしているのかもしれない。「よう、フリッパー、昨日のイワシは最高だったな」「悪くなかったね、フレイク。でも僕はイカの方が好きだな」