古代マヤ遺跡、破壊され道路舗装材に 中米ベリーズ
(CNN) 中米ベリーズにある古代マヤ文明の遺跡で、2300年前に建造されたピラミッドがショベルやブルドーザーで破壊され、専門家らが衝撃を受けている。地元メディアの報道によると、ピラミッドは道路の舗装材として使う目的で破壊されたとみられる。
報道によると、同国北部のノームル地区で先週、寺院の遺跡のピラミッドが破壊された。ピラミッドは約4万人が住む集落の中心部にあり、高さは約19メートルあったという。紀元前250年ごろの建造とされ、石灰岩を積み上げた構造になっていた。
地元の野党議員によれば、石灰岩は道路舗装材として建設業者が重用している。マヤの寺院は良質な石灰岩が使われ、町までの距離も近いことから、安上がりに調達できる舗装材とみなされているという。
考古学者らの中止要請を受けて工事はストップしたが、遺跡の科学的価値は大きく損なわれたと専門家は肩を落とす。
同国考古学研究所の専門家は地元テレビ局7ニュースベリーズの取材に、「私がベリーズの考古学に携わってきた25年間で最悪の事態だ。起きてしまったことは取り返しがつかない。恐るべき無知が露呈した」と憤りを隠さない。
同国では遺跡を故意に破壊した者に対して10年の禁錮または1万ドル(約100万円)の罰金が定められており、専門家らは、土地の所有者と建設業者に対して警察が捜査に乗り出すことを求める意向だ。