遺骨発見のリチャード3世に回虫感染、英研究チーム報告
(CNN) 英国医学誌ランセットは4日、同国中部レスター市の駐車場で昨年発掘した15世紀のイングランド王、リチャード3世が回虫に感染していたことが判明したと報告した。
同王の遺骨を調べていた研究チームが解明したもので、腸があったとみられる骨盤部分から採取した土壌分析で多くの回虫の卵を見つけたという。
頭部部分があったとみられる土壌の調査では卵は発見されず、墓周辺の調査でも回虫の感染はほとんどなかったという。
遺骨は今年2月、最後のイングランド王で戦場で死亡したとされるリチャード3世のものと確認されていた。同王は暴力を好む性格の持ち主として伝えられてきたが、遺骨の発見はその生涯の解明に新たな手がかりを与えるものと期待されている。
米疾病対策センター(CDC)によると、回虫の感染症は世界で最大12億人が患っている。回虫は腸に寄生し、卵は便と共に排出される。
感染症の兆候を示さない場合もあるが、一部の人間では腹部に不快感が起きる。CDCによると、症状が激しくなった場合、腸閉塞を起こし、子どもの発育妨害も招くという。