大型肉食恐竜の化石発見、ティラノサウルスと共存か
(CNN) 米シカゴのフィールド自然史博物館などの研究チームは25日までに、およそ1億年前に生息していた大型肉食恐竜の化石を米ユタ州で発見したと発表した。
この恐竜は体重約4トン、体長9メートル超。「恐竜の時代」と呼ばれる白亜紀に生息し、生態系の頂点に立っていたとみられる。地元の先住民の神話に出てくる肉食怪物にちなんで「シアッチ・ミーケロルム」と命名された。
ユタ州の同じ場所からは、肉食恐竜ティラノサウルス・レックスの化石も見つかっている。シアッチと共存していたかどうかは不明。
ただ、後に体重7トンあまりの大型恐竜に進化するティラノサウルスも、9800万年前の時点ではシアッチよりも小型だったことが分かっていて、「(シアッチよりも)大きな恐竜がいた痕跡は見つかっていない」(フィールド博物館のピーター・マコビッキ学芸員)という。
発掘調査は43度を超すユタ州の砂漠地帯で2008年から10年にかけて行われた。出土した化石は当初、北米に生息していたティラノサウルスかアンキロサウルスの仲間と思われたが、発掘調査を進めるうちに、南米アルゼンチンで見つかっている白亜紀後期の大型肉食恐竜ギガノトサウルスの仲間に属することが判明。恐竜がこれまで考えられていたよりも広い範囲に分布していたことが分かった。
シアッチの化石が出土した付近からは、ほかにも同時期に生息していた2種類の恐竜の化石が出土しているという。この2種類も北米以外の大陸で化石が見つかっている恐竜の仲間とみられ、今後もさらなる発見が期待できると研究チームは話している。